最近はきもの以外に、様々なお手入れや、特殊な品物のシミ抜きのご依頼があります。最近ではお寺の本堂の柱に巻く布地「柱巻」のシミを取ってもらえないかという依頼でした。ご住職様の話では、汚れがついてから年数も経ち、汚れ落としを請けてくれるところもないだろうと思い、半分あきらめていたようです。ご住職様の法衣のお手入れでもかなり難しい汚れもきれいにして納品してきたので、この柱巻のシミ抜きのご依頼になったわけです。
作業をする前に、もう一度ご住職様に汚れの原因をお聞きしたらなんと野良猫のマーキングということでした。はて、どうしたら生地に負担をかけずきれいにできるか考えた後、テストしてみました。その中で一番いいやり方を見つけ出し作業スタートしました。一気にやらず少しずつ少しずつ生地の様子を見ながらの作業です。一週間かけてようやくシミが消えました。はー、やれやれ。
全体像をお見せするとご覧の通りです。シミがついていた箇所は下の波の部分です。この柱巻が3枚、一か月かけてきれいにし納品することができました。
お届けに上がりお見せすると、「オーッキレイになった!」とおっしゃって頂きました。話によるとこの柱巻の値段は車一台分だそうです。