天目茶碗のような文様を表現した「天目染」のきもののご紹介です。
天目染は独特の染技法を用いて染められた味わいある表情が魅力です。一番の特徴は、色を付けるという従来の染色技法と異なり、色を抜き取るという独創的な方法にあります。
まず、引き染で下染をした生地の上に更に引き染を施します。染料が乾かないうちに、一昼夜鞍馬の銘水にさらした北山杉の挽粉(ひきこ)を翌日水切りし、約1~2㎝の厚みでむらなく生地の上に置きます。
その後、その下から熱を加え乾かすことにより挽粉が染料の色素を吸い取り、天目染の模様となります。
この一連の作業を2~3回繰り返すことにより、より深みを持った色となります。この染色技法は、熟練を要する手仕事であり、一点一点異なった趣を持つ逸品となっています。
当店に天目染の着尺がございます。ご覧ください。